養育費強制執行ナビ

強制執行の基礎知識

債務名義って何?

養育費の支払いが滞った場合でも、口約束や単なる文書で養育費を取り決めた場合、すぐさま強制執行手続きで相手方の財産や給料などを差し押さえすることはできません。

なぜなら強制執行の手続きをするためには、債務名義という文書が必要なのですが、口約束はもちろんのこと単なる文書は債務名義とはいえないからです。

それでは債務名義とはいったい何なのでしょうか?債務名義という文書は、確定した判決、裁判所が作成した和解調書。調停調書、執行認諾文言入り公正証書などをいいます。

そしてこれらの債務名義に、養育費を請求できる養育費の支払い請求権が記載されていることが必要です。つまり離婚をするだけでなく養育費の取り決めもきちんと文書内で記載されていなければなりません。

執行文付与って何?

債務名義を有していてもそれだけでは強制執行の手続きをするのに不十分な場合があります。なぜなら債務名義によっては執行文の付与が必要な場合があるからです。

それでは執行文の付与とはいったい何のでしょうか?執行文とは「この債務名義により強制執行をすることができる」と書かれた文書のことをいいます。詳細は省きますが日本の裁判制度が権利の存在の裁判と、その権利を実現する裁判が分離しているので、2つの書類が必要なのです。

執行文は何となくわかったとしても、どこに執行文付与の請求をすればいいのでしょうか。いろいろな執行文がありますが各々の執行文ごとに請求先が変わってくるのでしょうか?

執行文の付与は公正証書以外の債務名義は、記録が存在する裁判所の裁判所書記官に申立てをし請求します。公正証書は、公正証書の原本を保存する公証人に請求することになります。